建設業界の未来を動かす「つながる力」―建設RXコンソーシアム Exhibition2025の現場から

2025/11/25

    建設業界では今、生産性向上・安全性強化・省力化を目的としたテクノロジー導入が急速に進んでいる。こうした変革の中心に位置づけられる取り組みが、業界横断の技術開発組織「建設RXコンソーシアム」である。品川インターシティホールで開催中の「建設RXコンソーシアム Exhibition2025」は、その象徴ともいえるイベントとなった。

    本年2025年は11月25(火)、26日(水)に開催されている。

    本イベントのテーマは「正会員・協力会員、分科会・業種の枠を超えて、繋がって強くなる」。普段は個別で活動する会員が一堂に会し、開発成果を共有し、実際に「見て・触れて・体験する」形式で行われた展示会だ。会場には74社・11分科会が出展し、活発な交流の中から新たな気づきや協業の芽が生まれていた。


    ■ 技術と現場が交わる「体験型エキシビション」

    ホワイエでは、「RXコンソの“これまで”と“これから”」をテーマにしたトークショーや、女性技術者が登壇する「女性の参画で変わる建設業」など、業界の未来を語るセッションが多数実施された。特に、コンソーシアム事務局による「コンソはマッチングアプリのように活用してほしい」という言葉が象徴するように、技術者・ゼネコン・協力会社が新しい関係性を築こうとする姿勢が会場全体に広がっていた。

    デモエリアでは、資材搬送ロボット、3D測量ドローン、AIによる安全管理技術などが実機展示され、来場者はロボットが実際に動く様子を間近で観察することができた。これらは単なる新技術の紹介ではなく、実際の建設現場が抱える「人手不足」「安全」「効率化」といった課題にどのように貢献できるのかを体感できる貴重な機会となった。


    ■ 出展企業・分科会が示す“建設DXの現在地”

    出展企業はスタートアップから大手企業まで幅広く、AI・ロボティクス・クラウド・ドローン・配筋検査・設備点検など、建設プロセスのあらゆる領域の技術が集結した。
    とくに注目を集めていたのは次のような領域だ。

    • AIによる安全帯不使用検知
    • 資材の自動搬送システム
    • 3D測量ドローンの高度化
    • アシストスーツなどの身体負担軽減技術
    • 廃棄物処理の自動化・高効率化

    これらの技術群は、2026年以降もさらに現場導入が進むことが予測され、すでに多くの企業が実証・導入フェーズに移行しつつある。


    ■ 「LiveAir」も出展―安全教育のDXが広がる

    同イベントには、安全教育を提供するLiveAirも参加。
    建設業界全体の安全文化醸成に貢献する姿勢を示している(https://live-air.jp/news/3039/)。

    LiveAirは

    • オンライン形式の安全衛生教育
    • 受講管理システム
    • 現場の点呼デジタル化
    • 多言語対応コンテンツ
      など、現場の「教育DX」を推進するサービスを展開しており、今回の展示会でも多くの来場者がブースに訪れた。

    建設現場では、教育の標準化・可視化が急務となっている。ロボットやAIが進化しても、最終的な安全を担保するのは“人”。だからこそ「安全教育の質の担保」がこれまで以上に重要視されており、LiveAirの提供価値はますます高まっている。


    ■ 会長コメントに見る「対話の不足」と「変革への意志」

    村上会長は、会場を見渡しながら「これまで業界では本音での対話が不足していた」と率直に語り、技術者とゼネコンが活発に意見交換する姿が印象的だったと述べている。

    これは、建設業界特有の“縦割り構造”や“属人的なプロセス”から脱却し、オープンで協力的な産業へと進化しようとする強い決意の表れだと言える。


    ■ 2026年につながる「大きな一歩」

    建設RXコンソーシアムの公式サイトでは、開催予告も公開されており、さらに多くの実機展示・協働プロジェクトが予定されている(https://rxconso-com.dw365-ssl.jp/)。

    現場の課題解決に向けてテクノロジーが進化し、企業間の枠を超えた協働が加速する中で、業界は今、大きな変革期を迎えている。


    ■ まとめ

    教育DXを担うLiveAirのようなプレイヤーが加わることで、

    • 労働安全
    • 技能継承
    • 現場コミュニケーション
      など、人の力を支える領域でも変革が進んでいく。

    建設業の未来は、もう待つものではない。
    「つながり」と「共創」を軸に、現場と技術がともに進化していく時代が始まっている。

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